こんなお悩みにお答えします。
私はうつ病で1年半の休職を経験しています。休職して1年が経った頃に、リワークに通って復職訓練をしました。
この記事では実際にリワークに通ってみての感想や、メリット・デメリットなどをお伝えします。
結論、すべての人におすすめかと言われたらそうでもないけど、行く意味は多少あるかな、という感じです。
この記事を読めば、自分はリワークに行くべきなのかがわかってくると思います。
ぜひ参考にしてみてください。
そもそもリワークとは
そもそもリワークとはなんなのか、簡単に、経験談を含めて紹介します。
簡単に言うと、復職のための訓練のこと
リワークとは、かなり簡単に言うと「復職のための訓練」のことです。
うつ病で療養していると、仕事に復帰したり、会社に出社することがとても遠くに感じませんか?
「いきなり会社に出社するのは不安……」というときに、リワークに通って、1日中外で過ごしたり、作業をしたり、他人とコミュニケーションをとったりして、出社のためのリハビリを行います。
つまり、社会復帰するためのリハビリみたいな感じですね。
受けられる場所がたくさんある
リワークプログラムを受けられる場所は、たくさんあります。
例えば、医療機関・障害者職業センター・就労移行支援事業所などです。
私が通っていたのは、医療機関のリワークです。後述しますが、健康保険や自立支援医療制度が使えました。
休職期間中に行くなら、基本的には医療機関のリワークになってくるかなと思います。
リワークプログラムを実施
リワークでは、施設によりけりですが、リワークプログラムが実施されます。
私が通っていたリワークでは、午前にヨガ・午後に認知行動療法、というプログラムが多かったです。
どんなプログラムが実施されるかは、通う施設によります。
施設見学や説明会が必ずあると思うので、間違いなく参加がおすすめです。通う施設はしっかり選びましょう。
お金はかかったり、かからなかったりする
お金(利用料金)は、通う施設によってかかったり、かからなかったりします。
私が通っていたのは医療機関のリワークプログラムだったので、健康保険と自立支援医療制度が使えて、負担額は1割でした。
1割負担でリワーク1回あたり710円。
これを高いと思うか安いと思うかですが、うーん、微妙です。
ただ、うつ病を治すためのお金は渋らないほうがいいので、無心で払ったほうがいいです。
リワークのメリットとデメリット
さて、ここからは、リワークに実際に通ってみて、感じたメリットとデメリットをご紹介します。
リワークのメリット:外とのつながりができる
まず、リワークのメリット。ずばりこれは外とのつながりができることです。
具体的には、以下のようなメリットを感じました。
- 1日を通して外出する理由ができる
- 認知行動療法を学べる
- 同じ悩みを持つ人たちと交流ができる
- アクティビティがちょっと楽しい
ひとつずつ説明します。
1日を通して外出する理由ができる
うつ病で療養していると、外に出る機会が極端に減ってしまいますよね。
そうすると、外出することに恐怖や不安を感じるようになってきませんか?
私の場合は、長期のうつ病療養のせいで
と、ネガティブになっており、外出することへの不安でいっぱいでした。
リワークに通って、強制的に1日中家の外で過ごすことによって、「外出が不安だ」という気持ちを矯正できたと言いますか。
外出訓練にはなったなと思います。
1日中外で活動できた!と、自信にもなりました。
認知行動療法を学べる
リワークにて認知行動療法を学べたのは、私のうつ病人生のなかでも大きな収穫になりました。
私の通った施設だけでなく、認知行動療法をリワークプログラムとして取り入れているところは多いと思います。
私が通っていたリワーク施設では、専門の先生がきて、認知行動療法についてグループで学んでいきました。それがとてもおもしろかったです。
認知行動療法は本などでも学べますが、人から教えてもらうほうが効率がいいなと感じました。
ちなみに、私が認知行動療法の勉強のために買った本はこちらです。これも持っていて損はない良書です。
同じ悩みを持つ人たちと交流ができる
リワークに通うことによって、同じ精神障害という悩みや不安を持つ人たちと交流ができます。
うつ病療養で、自分だけの世界に閉じこもっていた状態から、同じ精神病を患う人や、リワークのスタッフさんたちと関わるようになり、社交性がやや回復します。
外部との関わりは本当に大事です。特に、同じ病気を持った人と関われるのは、とても貴重な経験になります。
私はリワークに通ってほかのうつ病患者さんたちの話を聞き、「こんな考え方もあるんだ」と気付かされて会社退職を決めました。
リワークに通うことで、なにかしら気づきや発見があるはずです。
アクティビティがちょっと楽しい
私はうつ病になってからヨガにハマっており、リワークプログラムでもヨガを行うということで、とてもテンションが上がりました。
ヨガの先生からヨガを習うというのは、あんまり気軽にできるものではないので、ひたすらヨガの時間が大好きでした。
しかも気持ちも落ち着きます。控えめに言って最高でした。
リワークのデメリット:お金を払ってまでやることなのか…?と疑問
続いて、リワークのデメリットをお伝えしていきます。
リワークに対して疑問に思うところも多々ありました。具体的には以下のとおりです。
- めんどくさい・しんどい
- お金がかかる
- 行うプログラムが幼稚に感じる
順番に説明します。
めんどくさい・しんどい
単純に、リワークはめんどくさいししんどいです。
それまでうつ病で家に引きこもっていたので、長時間外に出ることはめちゃくちゃストレスになります。
お金を払ってまで、なんでしんどさを感じなければいけないんだ、と。
リハビリなのでしんどいしめんどくさいのは仕方ないんですが、やっぱり、しんどかったです。
お金がかかる場合がある
会社を休職しているなかでリワークに通おうとした場合、おそらくほとんどが医療機関のリワークプログラムに通うことになると思います。
そうすると、どうしてもお金(利用料金)がかかります。
前述の通り、リワークでは1日単位でお金がかかります。私の場合は1日あたり710円でした。
(健康保険と自立支援医療制度を使用)
週1で通っていたので、1ヶ月で3000円ほどになります。
調べたところ、自立支援医療制度を使うなら、1日あたり700〜800円程度で通えるリワークが多いようです。
もちろん、医療費負担上限も適用されます。
うつ病治療に対して払うお金は渋らないほうがいいので、私は無心で払っていました。
プログラム内容が幼稚に感じる
私がいちばん「リワークって行く意味あるの?」と感じたのが、プログラムの質についてです。
ここは施設によってさまざまなので、なんとも言えないかなとは思うのですが、人によっては幼稚に感じるかもしれません。
ちなみに私が通っていたリワークのプログラムは、以下の通りです。
- ヨガプログラム
- 認知行動療法
- 活動記録表記入
- 1ヶ月の目標決め・振り返り
- お絵かき(感情を絵で表す・など)
ヨガプログラムと認知行動療法はすごく自分の身になったし、やっていて楽しかったです。
しかし、活動記録表記入や目標決めなどは、私の場合はすでに主治医とやっていたことだったので、「やっていることがリワークと病院でダブった」んですね。
しかも、わざわざお金払ってまで、今後の目標決めって………自分でできるじゃん………とも思いました。
見学に行って、プログラムの内容まで説明を受けたうえで、リワークに行くべきなのか?を決めたほうがいいかもしれません。
リワークに向いている人・向いていない人
ここまでを踏まえて、リワークに向いている人・向いていない人は以下のとおりです。
リワークに向いている人
リワークに向いている人は、ひとりではだらけてしまう人です。
ひとりで生活していると、朝は遅くまで寝てしまい、日中も特にやることなくだらだらと過ごしてしまう。
…なんて人は、リワークに行って、強制的に復職訓練をしたほうがよいかと思います。
リワークに向いていない人
リワークに向いていない人は、自己制御できる人です。
自分ひとりで、復職を想定して出社訓練をしたり、図書館に行って1日中作業を行ったりできる人。
あとは、ひとりでも目標を決めて、それに向かって努力できる人は、リワークは向いていないんじゃないかなと思います。
まとめ:1度経験して、良し悪しを見極めるのがいい
とはいえ、1度リワークに参加してみて、自分はリワークに通ったほうがいいのかどうか見極めるのがいちばんいいかと。
リワークではほかのメンタル疾患の患者さんたちと交流ができます。
私は結果、行ってよかったなとは感じています。
リワークのおかげで会社を辞める選択もできました。
(2ヶ月程度で行くのをやめてしまいましたが。)
ぜひ1度、見学に行ってみてください。マイナスにはならないかと思います。
ほかにもうつ病関連の記事を書いています。
よければ覗いてみてください。
うつ病 - とむのあたま