わたしは新卒で入社した会社の1年目、在籍わずか半年でうつ病になり、休職に入りました。
そこから休職できる期間いっぱい休み、その会社に復職することなく退職することとなりました。
「会社に休職させてもらったのに、復職しないのは非常識だ。おまえは常識がない。」…
そう思われる方も、いらっしゃるかも。
でも、自分の人生より大切な常識ってあるんでしょうか?
この記事が「休職してそのまま退職するのは非常識なんだろうか?」と悩んでいる方への参考になれば嬉しいです。
私の経験談ですが、休職中に復職せず退職したときの辞意の伝え方や、荷物の引き取り方などもまとめてみました。ぜひ最後まで読んでみてください。
復職せずにそのまま退職するのは非常識?
わたしは新卒でうつ病になり、会社で定められた休職期間の1年半を丸々使い切り、会社を辞めました。
会社でまともに働いていたのは半年ほどです。
まともに働いていた期間以上の休職をし、復職せず辞めました。会社からすればとんだお荷物社員。
結局わたしは、新卒でうつ病・休職・退職のフルコンボを決めて会社を辞めました。
勇気を出して会社に復職せずに退職してみた流れ
わたしが会社を辞めようと考えはじめたのは、復職訓練のリワークへ通うことになって少し経った頃でした。
リワークで価値観が変わった
リワークの利用をはじめた理由は、元の会社に復職したかったから。症状もずいぶんよくなっていました。
休職手当ももらっていたので、予定通り復職して恩返しをしなければと思っていました。
リワークでいろんな人と出会って、いろんなことを考え、自分を見つめなおすことができました。
リワークでの復職訓練で少し冷静に自分の状況を見れるようになり、ふっと自分を俯瞰でみたとき、「会社には戻りたくないかも」と思ったんです。
会社に戻って健康的に働く自分がイメージできない
- 毎朝あのオフィスに出勤する自分
- 笑顔で復職後の挨拶回りをする自分
- 久しぶりに同期と会話する自分
- 元の会社に戻って、あの業務をする自分・・
うつ病のいまの自分と、復職後の自分がどうしても線でつながりませんでした。
うつ病のわたしが、うつ病以前のような会社仕事をこなすのは多分むりだと。うつ病のわたしでは頑張ってもできないなと。
「あ、これが『働くイメージがわかない』ってやつか」
「いまの会社、辞めよう」
休職中に転職活動を開始
そこからの切り替えは早かったです。
退職するぞと自分の中で決めて転職活動を始め、2か月後くらいには内定をもらっていました。
うつ病で休職中に転職活動してもバレなかった記録は以下の記事にてどうぞ。
≫【経験者目線】休職中に転職活動したらバレるのか?【ポイント解説】
退職の意志を産業医に伝えた
内定をもらって落ち着いてから、会社の産業医に「大変申し訳ないが退職したい」という旨を伝えました。
退職を申し出ても非常識だと非難されなかった
産業医には、面談の日に対面で伝えました。電話やメールだとさすがに無責任すぎるかもと思ったからです。
一般的には「退職は直属の上司に言う」のがマナーとされていますが、休職中のわたしは直属の上司より人事や産業医のほうが距離が近かったので、産業医に言うことを決めました。
「メンタル疾患で休職中に退職を伝えるのは産業医でも問題ありません」という一文をネット上で必死に探しました。
なんとか見つかったので、じゃあ産業医に言おう、となりました。
休職期間中に会社を辞めたいけど、直属の上司とはしばらく連絡とっていないし、誰に伝えていいかわからないと悩んでいる方へ。辞意を伝えるのは産業医でも全然だいじょうぶです!伝えたもんがち。
わたしは会社の産業医にとてもトラウマがあり、退職すると言い出したらまたキツく言われるんだろうと覚悟していました。
それでも辞めるぞ!と決め込んでいたので、最後の説教くらいは受けてやるぞという強い気持ちでいました。
でも実際は、説教や非難の言葉は飛んできませんでした。
「残念だけどしょうがないね」と。なんだぁ~と肩の荷が下りた瞬間でした。
そのあとはとんとんと人事に話が行き、人事からも「残念だけどしょうがないね」と言われました。なんだぁ~。
支えてくれている母や、パートナーにも伝えました。「いいと思うよ」みたいなことを言ってくれました。
退職を決意したら体調がすごくよくなった
退職するという選択が自分にとって正しかったかどうかはすぐに分かりました。
体調がめちゃくちゃよくなったんです。主治医からも驚かれました。
元の会社に復職しなきゃいけないというストレスから解放されたので、すこぶる元気になりました。やっぱり会社いやだったんだな、と思えました。
ストレスの原因が会社だったと気づけて、その原因を無くせたので心が軽くなりました。
うつ病のわたしにとって、退職という選択は大正解だったわけです。
自分の気持ちを一番大切にしてあげる
「休職したのに復職せず、そのまま退職するなんて非常識なのではないか?」
私と同じように、そう考えてしまうということは、人一倍真面目で周囲に優しいんだと思います。
周りのことを考えすぎて、自分がおろそかになっていませんか?それでうつ病になったのだから反省すべきです。
私も耳にタコができるくらい言われ続けています。
「自分を大切にして」って、主治医に何度も言われるんですけどつい忘れてしまうんですよね。
「人から非常識だと思われるんじゃないか?」と悩むのではなく、「あの会社にはもう行きたくない」という自分の直感や気持ちを一番大切にしてあげてください。
そしてそれを外に出せるとなおいいです。
優しい性格だと、周りを気にして自分の気持ちを押し込んでしまいがちです。わたしもそうです。
わたしは自分の一番の気持ちである「会社やめます!」を大きく外に出してみました。外に出してみると、意外と物事は転がっていくもんです。
休職中に復職せずに退職するとどうなる?
ここからは、私の経験談ベースになりますが、休職中に復職せず退職する方法や、福利厚生などがどうなるのかをご紹介します。
- 休職中に復職せずに退職したいときの伝え方
- 会社に残ってる荷物はどうなる?
- 退職日はどうなる?
- 休職と退職はどっちがいいのか?
- 傷病手当金はどうなるのか?
休職中に復職せず退職したいときの伝え方
私の場合は、産業医面談の日に
「すみません、お伝えしたいことがありまして…」
「大変申し訳無いのですが、○月(休職満了月)で退職させていただきたいと思っています。」
と素直に伝えました。
メールや電話で伝えようとすると、「メールなんて失礼なのではないか?」とストレスになってしまうので、対面のほうが意外とあっさりしていて楽です。
会社に残ってる荷物はどうなる?
急に休職になってから、会社に残してきてしまった荷物!どうなるのか、捨てられるのか気になりますよね。
私の場合は、以下の3つのパターンを経験しました。
- 1社目:退職届を手渡しで提出するときに返してもらった(in会社)
- 2社目:郵送してもらった
- 3社目:自分で取りに行った
こればかりは、そのときの状況で選択するといいと思います。
会社側が「送りますよ」と言ってきた場合には甘えていいと思います。
と相談ベースで話を持ちかけてみるのがおすすめですかね…。
自分の立場が弱く、「これは自分で取りに行ったほうがいいな」と思った場合には取りに行ったほうがいいと思います。
わたしも3社目はそうしました。
そのときのレポートは以下の記事にてまとめていますので、ぜひ参考になさってください。
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【休職中で気まずい】退職するときに荷物(私物)を引き取りに行ってきました
こんにちは、とむです。 うつが悪化したため、2023年7月末頃から2ヶ月ほど休職しています。 9月30日付で退職をすることになっているため、2ヶ月ぶりに会社に顔を出して荷物(私物)を引き取りに行ってき ...
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退職日はどうなる?
私は合計3社を休職からの退職しているので、それぞれご紹介します。
1社目:相談で決定。休職満了月の月末に退職
1社目を退職するときには、人事課長と退職日を相談して決めました。
退職する旨は希望退職日の1ヶ月前までに、という会社の規則があったため、それにのっとって私の退職日も1ヶ月半後の月末になりました。
休職満了月の月末に退職したことになります。
休職中であっても、「退職する際には1ヶ月前までに申し出る」などの会社の規則がある場合には考慮する必要があります。
2社目:相談で決定。休職期間終了時に退職
2社目は1社目より小さい会社で、部長と退職日を相談して決めました。
こちらの会社も退職するときには1ヶ月前までにという規則がありました。
が、辞意を伝えた相手が部長だったので、部長権限でなんと15日後に退職することになりました。
会社によってはこういう例外もあり得ると思いますが、基本的には一般的な会社は1社目のような感じだと思います。
3社目:相談で決定。退職を申し出た日の1ヶ月後に退職
3社目を退職するときは、私はアルバイトで、非常に立場が弱いことを自覚していました。
それでも休職をさせていただいていたのですが、さすがに申し訳なく、退職を申し出ました。
「退職をする際は1ヶ月前に申告」という決まりがあったため、決まり通りに「1ヶ月後の月末に退職させてほしい」旨をお伝えしました。
うつ病になったら、休職と退職はどっちがいいのか?
うつ病になったら、退職ではなく断然休職がおすすめです。
詳しくはこちらの記事で解説しているのでぜひご覧ください。
退職する前にお金の算段はつけておこう
退職して、再就職せずに療養を続けることになると、とってもお金に困ります。
私も公的年金を滞納しまくり、督促状の山を作ったことがあります…。
私は現在、障害年金や自立支援医療制度を利用させていただき、非常に助かっています。
こういうものは、自主的に調べたり、申請しないと受けられない公的制度なので、本当にめんどうなのですがぜひ利用してみてください。
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うつ病で生活苦になり税金を滞納した話【金銭的援助制度はたくさん使おう】
溜めこんだ税金・保険などの請求書、催告状、督促状の山です。 いや、ドン引き…。 支払わなくてはならないものを支払わないのは、とても、いかんことだと思います。 でも、病気で働けなくて、しょうがないことも ...
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うつ病で休職したのに復職せずに退職するのは非常識なんかじゃない
うつ病で休職したのに復職せずそのまま退職するのは非常識なんかじゃありません。自分の人生では自分が一番大切であり、自分を守るためには常識も非常識もないからです。
うつ病・メンタル疾患は難しい病気です。当事者でも分からないことだらけで手探り状態です。
だからこそ、常識か非常識かにとらわれず自分の人生を自分の気持ちで選択していくことが大切なんじゃないでしょうか。
いままで頑張った分、これからは自分を大切にしてあげてください。